黒京形急須に桜模様を下絵転写技法で散りばめました。
下絵転写とは
素焼(注1)素地に下のような転写紙(注2)から絵柄を写し取って加飾する技法で、複数の製品に同じ絵柄を加飾したいときに用います。
転写には下絵転写と上絵転写(注3)がありますが、今回は下絵転写を施します。
(注1)釉薬を掛ける陶磁器を作る場合に、成形した生地を「本焼き」前に、釉薬をかけずに比較的低い温度で軽く焼き固めることです。
(注2)主として和紙に絵柄が絵具または釉薬で印刷されており、水を使って絵柄を陶器に転写します。
(注3)釉薬をかけて本焼成した生地に絵柄の印刷された転写紙を貼り、800℃前後で焼き付ける技法です。
成形して素焼をした京形急須です。
和紙に桜模様が釉薬で印刷された転写紙を必要な大きさに切り取ります。
この印刷面側を生地に転写していきます。
素焼急須の表面を少し湿らせてから転写紙を置きます。
水を含ませたスポンジまたは刷毛で、転写紙の上から軽く叩く様に押し付けて、生地表面が湿っているうちに慎重にはがします。
桜の絵柄が生地に釉薬として転写されました。
この後透明釉を掛けて本焼成します。
本焼成後は朱泥急須ですが、還元焼成を重ねて急須を黒変させます。
黒色急須の胴体に淡い桜を散りばめて、薄墨夜桜を表現しました。
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注ぎ口側はシンプルな黒です。
今回はこの絵柄のほかに「木の葉」をあしらった急須も製作しました。
これからも色々な絵柄に挑戦したいです。