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「世界お茶まつり2016」のご紹介


お茶の産地静岡で3年に一度、世界のお茶が大集合する祭典が開催されます。
2001年から始まり、今年は第6回目となります。
今回のテーマは「O-CHAを愉しむ」 -O-CHAを五感で感じよう-
「世界のお茶を体験する」「飲んで、食べて、買って愉しむ」「世界のお茶を学ぶ」と言った多彩なプログラムを通して、お茶の新たな魅力を引き出し、多くの方に愉しんでいただけるようです。

常滑焼急須に無くてはならない存在の「お茶」……
お茶が無かったら急須は単なる水差しか飾り物でしかありません。
お茶の産地が世界に向けて「お茶の魅力、お茶の新しい愉しみ方」を情報発信していくのを、焼物産地から応援したいです。

開催期間2016年10月27日~30日 10:00~16:00 ※初日は11時30分開場
開催場所静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」ほか
交通アクセスJR東海道本線「東静岡駅」南口からすぐ
主 催世界お茶まつり実行委員会
料 金入場無料(一部有料のプログラムあり)
電 話054-202-1488 世界お茶まつり実行委員会事務局
ホームページhttp://www.ocha-festival.jp/2016/

灰釉薬の製造から急須の焼成まで

 まず最初に朱泥急須の表面に掛けて焼成する“灰釉薬”を製造します。



 上の画像は灰釉薬の調合に使う原料です。

 1.天然木灰 2.黄土 3.長石 4.粘土 5.鬼板

 ※天然木灰:天然木を焼いた灰で長珪石を熔かす釉薬原料
 ※黄土:黄色みの強い土
 ※長石:低い温度で焼き締めることのできる融剤
 ※鬼板:鉄化合物をふくむ褐鉄鉱の一種


 上記原料と所定量の水をボールミルに投入し、数時間回転させて微粉砕しながら液状の釉薬にします。



 ボールミルの栓をコックに付け替え、篩で漉しながら液状の灰釉薬を排出し、約40リットルの灰釉薬が出来上がりました。



 先ほどの灰釉薬を朱泥急須の生地表面にスプレーガンで吹き付け、電気窯で焼成します。

 焼成前の急須は表面に掛けた灰釉薬でざらざらとしていて、強くこすると剥がれてしまいます。

 焼成前後の急須の変化の様子をご覧ください。




 焼成で急須生地が焼き締まり、それとともに灰釉薬に含まれる原料が反応して溶けてガラス化し、急須生地に密着します。

 灰釉薬の掛かっている部分は味わい深い艶が出ていますが、急須の表面にのみ釉薬を掛けていますので、急須の内側は朱泥の土味が残っています。

 この様にして製造した急須を宇幸窯では“灰釉急須”と呼んでいます。
 


緑泥原料の製造です

 常滑焼急須窯元の方より、急須鋳込み成型用の原料(泥漿)の注文をいただきました。今回製造する泥漿は常滑焼で有名な朱泥ではなくて緑泥になります。
 
 ※泥漿:粘土、長石等と水を混合状態にしたもの。



 上の画像は緑泥の調合に使う原料です。

 1.木節粘土 2.長石a 3.赤土 4.長石b 5.緑系陶磁器顔料
 6.青系陶磁器顔料

 ※陶磁器顔料:金属酸化物を高温で焼成し、安定した結晶構造を生成させた顔料。


 
 
 先ほどの原料と水をボールミルに投入し、数時間回転させて微粉砕しながら泥漿に調合します。



 
 ボールミルの栓をコックに付け替え、篩で漉しながら泥漿を排出します。



 
 50リットルの容器4本分の緑泥漿が出来上がりました。
これだけあれば急須が600〜900個は出来るでしょう!



 製造した緑泥漿を注文先の急須窯元に納入すると、前回納入した緑泥漿で製造した急須を見せていただきました。



 画像では分かりづらいですが、内容量180cc程の小ぶりで可愛らしい急須です。こちらの窯元では急須を一つ一つとても丁寧に作っていますよ。

 興味のある方は検索エンジンで “柏陽 急須 緑” と画像検索してみてください。


陶祖祭

 常滑焼の基礎を築いた偉大な陶祖「鯉江方寿(文政4〜明治34)」を祀る祭事が毎年11月3日に執り行われます。



 ここは常滑ですので...  この像は“銅像”ではなく“陶像”で、高さ2.0m(台共で6.6m)あります。  大正10年に下部から彫刻を施しながら積み上げられた傑作で、市の有形文化財に指定されています。



 文献によりますと、方寿翁は父の鯉江方救と共に連房式登り窯を改良し、土管等の真焼陶器の量産体制をつくりあげ、今日の常滑焼の礎を築いた第一功労者だそうです。
 
 また方寿翁は急須作りの技術を持った中国人を招聘したり、埋め立て事業に貢献したりと、とにかく常滑にとっては偉大な陶祖様です。



 常滑市天神山という小高い里山の上で、静かに常滑市街を見守っています。


急須セットの湯呑を焼成しました

 ずいぶんと長い間、日記の更新をさぼっていました…
 常滑焼宇幸窯の急須セットも湯呑の在庫切れで欠品状態がつづいており、本当にご迷惑をおかけしておりました。
 
 久しぶりに湯呑が焼成できましたので作業風景を報告します。
 これは電気窯の上蓋を上げたところです。

 酸化焼成した急須・湯呑みの地肌は、これぞ常滑焼!といった感じで朱泥色に染まっています。


 
 写真には写っていませんが、窯の最上段には灰釉京形湯呑が、その下段に朱泥京形急須が収まっています。
 そして中段には朱泥紫彩湯呑み、下段には朱泥緑彩湯呑みが並んでいます。
 



 
 焼きあがった製品の窯出しをして…
 
 これは、湯呑の高台の底を回転やすりの上で擦って滑らかにしているところです。
 
 窯出し後の焼き物の底はざらざらしていますので、食卓等を傷つけないためにも、大切な作業です。


 
 
 さっと擦るだけですが、湯呑の高台の底が滑らかになりました。
 
 
 朱泥急須とのセット組の場合にはこれで作業完了ですが、黒泥急須とのセット組の湯呑はこの後で燻還元焼成を施します。


 
※ショッピングカートの朱泥急須セットと灰釉掛け急須セットの在庫状況を更新させていただきましたので、よろしくお願い致します。


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