急須の茶漉しの一種で、宇幸窯にて開発しました。
それまでの茶漉しは、急須の注ぎ口近くに取り付けた陶製茶漉しや板網が主流でした。
茶葉の荒いお茶のときはこれで問題ないのですが、深蒸し茶のような細かい茶葉だと、網が目詰まりしてお茶の出が悪かったり、上から溢れることがありました。
そこで宇幸窯にて開発した帯茶こし(別名:帯網)なのですが、
写真で見て分かるように、急須の内側を帯状のステンレス網がぐるりと一周しています。
急須と網の間にできた隙間がすべてお茶の出口となるので、目詰まりがありません。
そして、急須にお茶が残らないので、次に入れるときもおいしいお茶が飲めます。
この茶漉しを備えた帯茶こし急須はどんなお茶にも合いますので、いろんなお茶を試してみたい方にお勧めです
お茶は「星野製茶園」製の深むし茶一煎用パックです。
袋から出してみると、茶葉の細かい事が分かります。
深むし茶は、お茶を深く蒸すことによって、「甘味」や「コク」を引き出すそうですが、それに伴って茶葉が粉っぽくなってしまう様です。
最初に急須に茶葉を入れてから、袋の裏に書いてあるように、約70℃のお湯を入れて、30秒待ってから湯飲みに注ぎます。
そして呑んでみると、今まで呑んだどのお茶に比べても甘くて、コクがあり、苦味や渋さは殆どありません。
これから呑むお茶は、「深むし茶」で決まりです!
お茶を注ぎ終わった急須の内部の様子ですが、細かい茶葉が急須の注ぎ口付近に集まっています。
普通の茶漉しでは、茶葉が詰まってお茶の出が悪くなるのですが、帯茶こし急須は網が急須の内面全体を覆っていますので、注ぎ始めから終わりまで気持ちよくお茶が出ます。
「全国茶品評会」の普通煎茶10kgの部で農林水産大臣賞を受賞された鹿児島県霧島市の春香園製茶・有村春明様から祝賀会の引き出物として急須セットを御用命いただき、無事に収めさせていただきました。
その有村様から、祝賀会の報告のお便りと共に農林水産大臣賞受賞茶の入ったセットをいただきました。
貴重なお茶とありがたいお便りをいただき、本当にありがとうございます。
第66回全国茶品評会・普通煎茶10キロの部で農林水産大臣賞に輝いた霧島茶です。
以前にも紹介しましたが、お茶の外観・香気・水色・滋味の4点の審査項目全てで満点を獲得した煎茶です。
茶葉は一番茶と二番茶の早摘みのものを用いて、蒸し、粗揉、揉捻、中揉、精揉、乾燥という手間のかかる工程を経て作られるのが一般的なようです。
ちなみに蒸し時間の短いものが浅蒸し煎茶で、長いものが深蒸し煎茶です。
お茶本来の味を楽しむなら浅蒸し煎茶、深みのあるお茶を楽しむなら深蒸し煎茶がお勧めです。
ただ、深蒸し煎茶は細かな茶葉が多くなり、普通の急須の茶漉し網ですとお茶が出にくいので、宇幸窯の帯茶漉し急須がお勧めです。
2煎分(約大さじ2杯)の茶葉を取り出してみました。
お茶の葉1枚1枚が丁寧に揉まれていて、いつも目にする茶葉よりも上品です。
お茶の香ばしさの中にほのかに甘い香りも感じます。
湯飲みで約60度程度に冷ましておいた一煎分のお湯を急須に戻して、そこに一煎分の茶葉(約大さじ1杯)を入れます。
約3分ほど蒸らして蓋を取ると…
お茶の葉が鮮やかな色になって急須の中に広がっています。
お茶の色は透明感のある上品な金色です。
早速飲ませていただきました。
上品な香ばしさに、甘みと苦み・渋みが絶妙に調和していて雑味は全くありません。
「これこそが本来の日本茶」と思わせてくれる、おいしいお茶でした。