急須生地の乾燥【製造工程】

胴体の仕上げに手口の取り付けと磨きも終わって

焼成前の最終工程に向けてじっくりと乾燥中の急須生地です。



手口のような先端部分から先に乾きやすいので、白くなりかけてますね。

じっくり乾燥させないと変形やひび割れを起こすので注意が必要な工程なのです。


この急須の並んでいる缶の蓋を、

気温や湿度に応じて開けたり閉めたりしながら、均一に乾燥させます。


急須胴体のロクロ仕上げ

ロクロと聞くと、粘土を回転させながら成形する様子を思い浮かべるのではないでしょうか?

もちろん手引き成形ではそうなんですが、
宇幸窯では泥しょう鋳込み成形で生地を成形するので、成形工程ではロクロは使用しません。

下の写真は、急須胴体の表面仕上げを行っているところです。



ロクロ上の仕上げ台に急須胴体を伏せ、回転させながら表面を仕上げます。

泥しょう鋳込み成形の生地の表面は、そのままでは石膏型の表面の凹凸が残っているので、
カンナへらを使って、急須表面を滑らかに仕上げます。

見えにくいですけど、下半分はすでに表面仕上げを終えて、
現在はカンナを使って急須の高台部分(裏底)を仕上げているところです。


急須手口取付け【製造工程】

 今回は、急須の胴体に手口を取り付ける作業を簡単に紹介します。
 急須の胴体と手口は乾燥前で適度に柔軟性があるので、このような成形作業が可能になります。

1.コンパス状の道具で急須の胴体に丸い穴をあけます。



※急須の胴体は前工程のロクロ作業で表面を磨いてあります。


2.急須の口に泥ノタ(生地と同じ液状粘土)を筆で塗ってから、先ほどの胴体の穴に接合します。



3.“とんとん”と軽くたたいて急須の口と胴体をなじませます。



4.急須の持ち手も同様にして取り付けます。



この後、胴体と手口の接合部をヘラで撫ぜて、密着させるのと同時に見栄えを良くします。


ボールミル原料調合【製土作業】

常滑焼急須や湯呑みの鋳込み成形に必要な液状粘土の製造作業を紹介します。

これはボールミルと言って、焼物の原料の粘土や長石と水を微粉砕しながら調合する機械です。



 
ボールミル内側には石の板が全面に張ってあり、こぶし大の玉石が入れてあります。



 
下のように計量済みの粘土や長石等を… 大きなじょうごを使ってミル内に投入します。



 
水を加えて約15時間ほど回転させてから、約300キロの鋳込み用粘土ができました。   
篩を通して異物を取り除きます。



 
今回製造した鋳込み用粘土には弁柄を混ぜていないので、朱泥色をしていません
この鋳込み用粘土で成形した急須などを焼成すると、うっすらと黄みを帯びた白色になります。


粘土粉砕作業【製土作業】


これはクラッシャーと言って、大きな粘土を小さく砕く粉砕機械です。
急須や湯呑みの原料を作る製土作業で一番最初の工程に使います。

粘土の板を上から投入すると、クラッシャー内部の羽で砕いて下に落とす構造になっています。



 
真上からです。
乾燥させた粘土をクラッシャーの上から放り込みますと。



 
中では鉄の羽が回転していて、粘土を次々と砕いていきます。

この鉄の羽に手を挟まれたら大変な事になります!!




この機械を導入する前は手作業(ハンマー)で砕いていたので、腱鞘炎になったりして大変でした。



 
砕かれた粘土は次の製土作業 『ボールミルによる原料調合』 に進みます。



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